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高橋 史明; 山口 恭弘
Radiation Risk Assessment Workshop Proceedings, p.71 - 78, 2003/00
歯を用いたESR線量計測法による個人線量推定を行う際に必要となる歯エナメル質線量から臓器線量への換算関係を解析した。改良を行ったMIRD-5型ファントム及びEGS4コードを用いたモンテカルロ計算により、光子外部被ばくに対する歯エナメル質線量と臓器線量の換算関係を解析した。歯のサンプル及びTLD検出器を頭部物理ファントム中に挿入し、ESR線量計測法及び線量測定により歯の部分の線量を調査した。頭部物理ファントムのCT画像より作成したVoxel型ファントムを用いたモンテカルロ計算を行い、実験結果及びMIRD型ファントムを用いた計算結果の検証をした。得られた結果は、歯エナメル質を用いたESR線量計測により過去の被ばく事例における個人線量推定を行う際に有益になると考える。
高橋 史明; 山口 恭弘; 岩崎 みどり*; 宮澤 忠蔵*; 浜田 達二*; 斎藤 公明
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(9), p.964 - 971, 2002/09
被引用回数:6 パーセンタイル:39.54(Nuclear Science & Technology)光子外部被ばくに対するESR線量計測法によるレトロスペクティブな個人線量評価手法の確立を目的として、歯エナメル質から臓器線量への換算に関して解析した。歯エナメル質の線量は、MIRD型ファントムを用いたモンテカルロ計算により解析した。頭部物理ファントムに埋め込まれたTLDを用いた測定により、計算結果を検証した。エナメル質線量の入射光子に対するエネルギー及び方向依存性は、他の臓器線量のものと比較した。物理ファントムのCT画像を基にしたvoxelファントムを用いて、頭部構造がエナメル質線量の値に与える影響を調査した。散乱線を考慮に入れた仮想的な場における外部被ばくについて、MIRD型ファントムにより得られたデータを用いて、エナメル質線量から骨領域の線量への換算について解析した。その結果、歯エナメル質を用いたESR線量計測法による精度のよい個人線量推定は、人体に入射する光子のエネルギー分布に関する情報を必要とすることがわかった。
高橋 史明; 山口 恭弘; 斎藤 公明; 岩崎 みどり*; 宮澤 忠蔵*; 浜田 達二*; 船曳 淳*
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.2), p.1314 - 1317, 2002/08
光子外部被ばくに対して、歯エナメル質を用いたESR線量計測法による臓器線量及び実効線量の推定を可能とする技術を確立するため、エナメル質の線量の解析を行った。エナメル質の吸収線量は、EGS4コード及び新たに歯を定義したMIRD-5型の数学人体模型を用いたモンテカルロ計算により得られた。また、組織等価物質で構成され人骨を埋め込んだ頭部物理ファントムを用いた実験を行った。歯及びTLD検出器を物理ファントム内の歯の位置に設置し、歯エナメル質部の線量を測定した。実験結果は光子が頭部の前方から入射する場合は計算結果とよく一致した。しかし、後方入射の場合、実験結果は計算結果より小さい値を示した。そこで、実験に用いた物理ファントムのCT画像からVoxel型ファントムを作成し、このVoxel型ファントム及びEGS4コードを組み込んだ計算コードUCPIXELを用いた検証計算を行い、実験結果の妥当性を確認した。
高橋 史明; 山口 恭弘; 岩崎 みどり*; 宮澤 忠蔵*; 浜田 達二*
Radiation Protection Dosimetry, 95(2), p.101 - 108, 2001/09
被引用回数:27 パーセンタイル:85.72(Environmental Sciences)光子外部被ばくに対して、歯エナメル質を用いたESR線量計測法による臓器線量及び実効線量の推定を可能とする技術を確立するため、エナメル質における線量の解析を行った。エナメル質への吸収線量及び臓器線量は、EGS4コード及び新たに歯が定義された数学人体模型を用いたモンテカルロ計算により得られた。計算により、いくつかの光子外部被ばくの条件におけるエナメル質の線量と臓器線量または実効線量との間の定量関係が明らかとなった。また、エナメル質の線量の入射光子エネルギーに対する依存性は、ほかの臓器線量及び実効線量よりも大きいことが明らかとなった。得られたデータは、歯を用いたESR線量計測法により過去の放射線被ばくにおける個人線量を推定する際に有益なものとなる。
高橋 史明; 山口 恭弘; 斎藤 公明; 岩崎 みどり*; 宮澤 忠蔵*; 浜田 達二*
KEK Proceedings 2000-20, p.48 - 55, 2000/12
光子外部被ばくに対し、歯のエナメル質を用いたESR線量計測法の結果から実効線量を推定する手法を確立するため、歯の線量について解析を行った。歯の線量及び実効線量については、数学モデル(MIRD-5タイプ)及びEGS4コードを用いたモンテカルロ計算より評価した。また、ファントム内にTLD検出器を置いて、口腔内の線量を測定した。計算結果から、歯の線量は実効線量と比較してエネルギー依存性が大きいことが確認されたので、光子のエネルギー分布が考慮されていた場において、これら2つの線量の解析をした。また、いくつかの照射条件下において、測定結果と計算結果の間に差が見られた。そこで、測定に用いたファントムのCT画像を基にVoxelタイプのファントムを作成し、モンテカルロ計算を行うこととした。
高橋 史明; 吉澤 道夫; 山口 恭弘
Radioisotopes, 47(1), p.29 - 33, 1998/01
いくつかのファントムからの後方散乱線を解析し、ファントムの寸法及び材質が光子用個人線量計の校正に与える影響を考察した。後方散乱線測定は、電離箱検出器を用いて、404015cmのPMMAファントム、303015cmのPMMAファントム及び国際標準機関(ISO)から提案されている水ファントムの表面で行った。EGS4コードを使用したモンテカルロ計算を行い、測定結果との比較を行った。また、ファントム寸法及び材質が線量計校正に及ぼす影響に関して詳細な解析を計算により行った。今回の解析の結果、ISOが提案している水ファントムを校正に用いた場合、低エネルギー光子に関して得られる校正定数が、従来のPMMAファントムより最大7%大きくなることがわかった。
高橋 史明; 清水 滋; 山口 恭弘
JAERI-Tech 97-006, 36 Pages, 1997/03
放射線管理に用いられる線測定器は、照射線量値に関して国家標準とトレーサビリティーが確保されている線場において指示校正が実施される。校正場中には、一次線と散乱線が混在するが、通常の作業において散乱線の影響は考慮されない。散乱線は、校正場中のエネルギー分布に影響を与え、これによりエネルギー依存性のある測定器の指示精度が悪くなる可能性がある。このため、より高精度な校正結果を保証するにあたり、線場のエネルギー分布及び校正結果に与える影響を評価しておくことが不可欠となる。そこで、日本原子力研究所放射線標準施設棟内のいくつかの線校正場のエネルギー分布を、実測及びモンテカルロ計算により評価した。結果は、当該校正場において実施される校正の品質を保証するものである。
沢村 卓史*
PNC TJ1600 96-003, 77 Pages, 1996/03
核燃料施設の環境評価項目の1つとして、施設からの直接線およびスカイシャイン線による線量評価がある。この線量評価は遮蔽計算コードにより解析が行われている。しかし、ベンチマーク実験が極めて少ないこと等もあり、評価においては、充分な安全裕度が見込まれている。このため、合理的な評価を行うためには、スカイシャイン線に係わる実測データの取得が不可欠である。本研究は施設からのスカイシャイン線のベンチマークデータの取得および各種計算コードの検証を目的として実施するものである。今年度は、作成した同期型パルス状放射線測定装置を用いて、北大45MeV電子線形加速器施設周辺の線量分布測定を、漏洩ガンマ線の平均自由行程の約10倍程度の距離(約600m)にわたって実施することにより、施設周辺におけるスカイシャインの影響を明らかにするとともに、汎用ユーザーズ版EGS4コードにより北大45MeV施設のスカイシャイン線の評価を行い、実験結果との比較検討を行うため以下の研究を行った。・電子線加速器から発生する制動X線を線源とし、作成した同期法パルス状放射線測定装置を用いて、施設から西方向350m、南方向100m、北方向600mにわたるスカイシャイン線の測定を行った。測定結果はG(E)関数法により空間線量率に換算された。その結果、施設から70m以内、100目-400mの区間および400m以遠では異なる空間変化を示すことが分かった。・汎用版EGS4に備えられたポイント検出器を用いて、北大45MeV電子線形加速器施設からのスカイシャイン線評価のためのシミュレーションを行った。・シミュレーションの結果と実験結果とを比較検討した。双方のデータに未だ統計誤差を含むが、70m以内の実験データとの比較には、施設の構造をより反映した幾何学的形状が必要である。しかし、本シミュレーション結果は100m以遠の実験結果をよく再現することが分かった。
坂本 幸夫; 中根 佳弘; 田中 俊一
KEK-Proceedings-95-9, 0, p.119 - 127, 1995/11
線放出核種からの制動X線スペクトルを経験式に基づいて計算するBETABREMコードを開発し、電磁カスケードモンテカルロコードEGS4やITS3コードシステムのACCEPTコードと比較計算を行った。Sr-Y:鉛体系、Kr:チタン体系、Pm:アルミ体系及びNi:金体系でのBETABREMコードの制動X線スペクトルはEGS4やACCEPTコードと同程度である。また、ORIGEN2の光子ライブラリーに含まれる酸化ウラン及び水中での制動X線を考慮した光子スペクトルに比較しても数値は同程度か過大評価の傾向にある。BETABREMコードは、原子内からの制動X線の計算ができるとともに、ターゲット物質及びエネルギー群を任意に選択できる特徴をもつ。点減衰核コードQAD-CGGP2と組み合わせることにより、遮蔽体外側での線量当量率を容易に計算することができ、2つの計算コードを連絡してパソコン判の線制動X線遮蔽計算コードBETASHIELDを開発した。
高橋 史明; 清水 滋
IRPA9: 1996 International Congress on Radiation Protection, Proceedings, 4, p.215 - 217, 1995/00
線測定器の応答にはエネルギー依存性があるため、校正場のエネルギー分布は明確にされる必要がある。特に、校正場における散乱線の寄与の評価は重要となる。本試験では、原研放射線標準施設棟内の線校正場において、NaI(Tl)シンチレーション検出器を用いて波高分布測定を実施した。測定結果についてはアンフォールディングを行い、照射線量率単位で校正場の光子エネルギー分布を評価した。シャドウコーンの使用により、散乱線を発生源で分割した。分割された散乱線についても同様に光子エネルギー分布を評価した。EGS4コードを用いたモンテカルロ計算を実施し、測定結果との比較を行った。この結果、線校正場における光子エネルギー分布が明確になり、線測定器のレスポンスのより高精度な評価が可能となった。